RCCM試験の問題Ⅲ(管理技術力)は、あらかじめ公表された6テーマのどれが出ても、記述式で答えなければなりません。範囲が広くて、白書のどこを読み、何をどこまで覚えればいいのか分からない――。受験を決めた人から、いちばんよく聞く悩みです。この記事では、建設コンサルタント業界で働く現役の実務者として、令和7年度の建設コンサルタント白書の「ここだけ読め」、そして覚えるべき暗記の型と答案の書き方を、2026年度の6テーマに沿って全文無料で整理しました。読み終えるころには、どのテーマが出ても手が動く準備の全体像がつかめます。
RCCMの問題Ⅲ(管理技術力)とはどんな試験か
まずは敵を知るところから。問題Ⅲは、公表された6テーマのうち1つが本番で出る記述式です。覚え方と書き方を決める前に、ルールを押さえておきましょう。
2026年度の6テーマ
2026年度の出題テーマは次の6つです。(1)地方公共団体のインフラ老朽化とインフラマネジメント、(2)安全・安心な国土づくり、(3)SDGsへの取り組み、(4)AI技術の活用と成果品の品質向上、(5)国際競争力の強化、(6)BIM/CIMの適用。どれか1つが出ますが、どれが出るかは分かりません。だからこそ、6テーマすべての骨子を用意しておくのが合格への近道です。
内容がどれだけ良くても、次の3つを外すと大きく減点されます。第一に、字数は設問①・②を合わせて1200〜1600字。第二に、指定された用語リストから4つ以上を使い、使った用語はかぎ括弧「 」で囲む。第三に、設問は①現状と課題、②あり方・役割・効果・克服課題、の2部構成で問われます。テーマ4・5・6には「業務遂行能力の観点から」という条件が付き、実務者目線で書くことが求められます。
白書の「ここだけ読め」|6テーマ×該当ページ早見表
問題Ⅲの土台は、令和7年度の建設コンサルタント白書(建設コンサルタンツ協会・全223頁)です。ただし223頁を全部読む必要はありません。出題の根拠は第3章3-3(新しいニーズへの挑戦)と第4章に集中しています。テーマごとに最優先で読む節だけを押さえれば十分です。
| # | 出題テーマ | 最優先で読む節(核心) | 白書の印刷ページ |
|---|---|---|---|
| 1 | インフラ老朽化・インフラマネジメント | 3-3-3 インフラメンテナンスとアセットマネジメント | p.55〜58 |
| 2 | 安全・安心な国土づくり | 3-3-4 防災・減災、国土強靱化への対応 | p.59〜64 |
| 3 | SDGsへの取り組み | 3-3-1 SDGsへの取組み | p.46〜48 |
| 4 | AI技術の活用と成果品の品質向上 | 4-4 品質の確保・向上/3-3-2 DXの推進 | p.114〜119/49〜54 |
| 5 | 国際競争力の強化 | 2-5 海外事業環境/4-9 海外事業の競争力強化 | p.32〜34/153〜155 |
| 6 | BIM/CIMの適用 | 4-6-2 i-Constructionへの対応/3-3-2 DXの推進 | p.123〜127/49〜53 |
印刷ページは白書本文右下の頁番号です。PDFのビューア頁は印刷頁+6になります(例:印刷p.55はPDFの61頁目)。まずは自分の受けるテーマの2〜3頁だけ、印刷して手元に置くのがおすすめです。
暗記の型|覚えるのは「用語4つ+数字3つ+締め1文」の三点セットだけ
ここが本題です。白書は分厚いですが、テーマごとに覚えるのは3つだけ。用語4つ・数字3つ・締め1文の三点セットに絞れば、記憶は一気に定着します。6テーマ全部そろえても、暗記の総量はA4一枚に収まります。
なぜ三点セットで足りるのか
問題Ⅲで見られているのは、丸暗記の吐き出しではなく課題から打ち手への筋道(管理技術力)です。だから、用語を4つ以上かぎ括弧で使い、各設問に白書の数字を1〜2個入れて具体性を出し、建設コンサルタントの役割で締める。この3点さえ体に入っていれば、あとは本番で筋道をつなぐだけで合格ラインに届きます。欲張って数字を増やすと本番で忘れます。各テーマ、数字は3つに絞るのが鉄則です。
| テーマ | 推し用語4つ | 覚える数字3つ | 締めの一言 |
|---|---|---|---|
| 1 インフラ老朽化 | 老朽化/群マネ/広域連携/多様な契約方式 | 群マネ提言2022.12/包括的民間委託の手引き2023.3/八潮市陥没で約120万人が使用自粛(2025.1) | アセットマネージャーとして |
| 2 安全・安心な国土 | 国土強靱化/ハード対策/ソフト対策/災害に強いまちづくり | 水害被害額10年で約7兆600億円/アメダス50mm以上が約330回で約1.5倍/能登半島地震M7.6(2024) | ハード・ソフトを一体で提案する |
| 3 SDGs | 水循環/気候変動/まちづくり/生物多様性 | 17目標169ターゲット/順調は17%のみ(SDGs報告2024)/日本のSDGs達成度21位 | 共創の担い手として |
| 4 AIと品質 | 建設DX/照査体制/情報セキュリティ/判断支援 | 業務成績はプロセス70:結果30/自己照査の指導71%/ASP活用の原則化(令和5年4月) | AIを判断支援に使いこなす |
| 5 国際競争力 | ODA/国際建設契約(FIDIC)/インフラ輸出/人材育成 | 世界市場約8兆円に対し日本の業務量約1000億円/MDBs出資が世界第2位/海外展開戦略2030(2024.12) | 海外市場で稼ぐ力を高める |
| 6 BIM/CIM | 3次元モデル/フロントローディング/データ連携/電子納品 | 原則適用は2023年度開始/受注者提案型が約58%/フォローアップ調査は5分野94回答 | フロントローディングを担う |
数字はそのまま説得力になる
たとえばテーマ1なら、2025年1月の八潮市の道路陥没で約120万人が下水道の使用自粛を求められた事実は、地方のインフラ老朽化がもう起きている危機だと一文で伝えられます。テーマ2の水害被害額が10年で約7兆600億円、テーマ5の世界市場約8兆円に対し日本は約1000億円――こうした数字を1つ入れるだけで、抽象論が具体論に変わります。逆に、数字ゼロの答案は最も失点しやすいパターンです。
書き方の掟(さわり)|型どおりに書けば崩れない
暗記の三点セットがそろったら、あとは型に流し込むだけです。後輩にも必ず伝えている、減点されない書き方の掟を、さわりだけ紹介します。
後輩に教えるときも、最初に「①と②を混ぜないこと」だけは口を酸っぱくして言っています。ここが崩れると一気に減点されます。
- ①と②を混ぜない。①は現状と課題に徹し、解決策は②で書く
- ②の打ち手は、①で挙げた課題に1対1で答える(言いっぱなしにしない)
- 指定用語は文脈に合うものだけを4語以上。ムリに全部入れて文を壊さない
- 使った指定用語は必ずかぎ括弧「 」で囲む
- 各設問に白書由来の数字を1〜2個。三点セットの3つをそのまま出す
- 締めは固定フレーズ「建設コンサルタントは〜する役割を果たすべきである。」
見出しは設問文のオウム返しにし(例「1. 地方公共団体のインフラ老朽化を取り巻く現状と課題」)、箇条書きの多用は避けて地の文で論理をつなぎます。管理技術力の採点は、知識の量より課題と打ち手のつながりを見ています。①で課題を3点出し、②でその3点に1対1で答える。この対応関係を崩さないことが、いちばんの得点源です。
もっと深く知りたい人へ|note・BOOTHで完全版を用意
ここまでで、白書のどこを読み、何を覚え、どう書くかの全体像はつかめたはずです。あとは、実際に条件を満たして書き切った答案を見て、型を体に入れるのが最短ルートです。
型は分かっても、いざ1200〜1600字に膨らませ、指定用語を自然に4つ以上入れ、①と②の役割を崩さず、建設コンサルタントの役割で締める――これを本番の緊張のなかでやり切るのは、想像以上に大変です。そこで、テーマ別の暗記カードと書き方解説、そして各テーマの模範解答をフルテキストで書き切ったものを用意しました。
- まずテーマ別に覚え方と書き方を深掘りしたい人は、noteの暗記&書き方シリーズへ。三点セットの暗記カード、指定用語の使い分け、答案の骨子の作り方をテーマごとにまとめています。
- 自分の受けるテーマの完成答案を丸ごと読みたい人は、noteの模範解答シリーズへ。1200〜1600字・指定用語つきの模範解答フルテキストに、書き方の解説とチェックリストを添えています。
- 6テーマすべてを手元に置き、印刷して繰り返し読みたい人には、全6テーマの模範解答+攻略ガイドをまとめた完全版PDF冊子をBOOTHで用意しています。
※本記事には、筆者が制作した教材の紹介を含みます。
- 白書は全部読むの?
-
いいえ。該当ページだけ読めば十分です。テーマごとの早見表を用意しました。
- 暗記量はどれくらい?
-
テーマごとに用語4つ・数字3つ・締め1文だけ。6テーマ全部でもA4一枚に収まります。
- 文字数と用語の条件は?
-
合計1200〜1600字、指定用語を4つ以上使います。
まとめ
RCCM問題Ⅲは、範囲が広く見えて、実は型と暗記量が決まっている試験です。
白書はここだけ読めの該当ページだけを押さえ、テーマごとに用語4つ+数字3つ+締め1文の三点セットを覚え、①課題→②役割の型で書き、建設コンサルタントの役割で締める。これだけで、合格ラインの答案は十分に書けます。まずは自分の受けるテーマの三点セットを覚えることから始めてみてください。この記事が、あなたの2026年度合格の一歩になればうれしいです。

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