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いつものラバーを買いに行ったら「入荷待ちです」と言われた。ネットショップを開いても、欲しい厚さと色だけ在庫切れ。2026年の秋は、卓球をやっている人の周りでこれが続いています。
原因のひとつははっきりしています。バタフライ(株式会社タマス)が2026年9月3日、公式サイトで「ラバー」の品薄をお詫びする文書を出しました。
この記事は「いつ入るのか」を予想する記事ではありません。入るまで待てないときに、どうやって代わりを選ぶかをまとめたものです。品薄が解消しても、値上げや廃番で同じ判断を迫られる日は来るので、そのときにも使えるように書いています。
結論:同じ「系統」と「硬さ」から探すのが、遠回りに見えていちばん近い
- 代わりを探す順番は シートの系統(粘着かテンションか)→ スポンジ硬度 → スピードとスピンのバランス
- スポンジ硬度の数字は、メーカーをまたぐと比較できない。同じ47度でも硬さが違う
- 待てるなら待つ。今のラバーの寿命を1か月延ばすほうが、合わないラバーを買うより安い
品薄のときにいちばん多い失敗は、店頭に残っていたものをとりあえずで買って、打球感が変わったまま半年戻れなくなることです。ラバーは1枚5,000〜8,000円台。試し打ちのつもりで買うには高すぎます。
〔やすたみ記入:品薄を実際に感じた場面があれば1〜2行。行きつけの店で言われたこと、子どもの用具を買い替えようとして困ったことなど〕
何が起きているのか(公式が言っていること・言っていないこと)
まず一次情報を確認します。ネットには「◯◯が品薄」という話が飛び交っていますが、公式発表の中身はもう少し限定的です。
バタフライの発表内容
2026年9月3日、株式会社タマスが「『ラバー』品薄のお詫び」を掲載しました。要点は3つです。
需要の増加と原材料の調達環境
需要の増加や原材料の調達環境等の影響により、ラバーの安定的な供給が困難になっている。
第2ラバー棟を新設
生産体制の強化を目的として、2026年6月に第2ラバー棟を新設した。
供給体制の改善を進める
同棟を活用して生産能力の拡充を進め、供給体制の改善に努める。
出典:バタフライ公式「『ラバー』品薄のお詫び」(2026年9月3日)
公式は「どのモデルが品薄か」を書いていない
ここは大事なところなので分けて書きます。公式文書に個別のモデル名は一切出てきません。対象は「ラバー」とだけ書かれています。
つまり、SNSや掲示板で見る「ディグニクス09Cが品薄」「テナジーは入る」といった話は、お店や個人が見た範囲の実感であって、メーカーが認めた品薄リストではありません。どのモデルが手に入るかは、地域や店ごとに違う可能性があります。
そして、解消時期の見通しも公式には書かれていません。第2ラバー棟が2026年6月に稼働している以上、供給が増える方向にあるのは確かですが、いつ元どおりになるかを書いた文書は見つかりませんでした。待つ判断をするなら、そこは分からないままだと理解しておいたほうがいいです。
同じ年に、他社は値上げしている
もうひとつ、重なって起きていることがあります。
| メーカー | 発表 | 内容 |
|---|---|---|
| ニッタク | 2025年12月24日 | 2026年2月1日から価格改定。ラバーを含む。理由は仕入価格等の上昇 |
| VICTAS | 2026年2月6日 | 価格改定(値上げ)のお知らせを掲載(同日実施) |
| バタフライ | — | 2026年の価格改定の公式発表は確認できず。主力ラバーはオープン価格のため、発表の形を取りにくい |
品薄と値上げが同じ年に来ているので、安く買えるうちにと焦る気持ちは分かります。ただ、焦って合わないものを買うのがいちばん高くつきます。
代わりを選ぶ3つの物差し
ここからが本題です。次の3つの順番で絞ると、外れにくくなります。
物差し①:シートの系統(粘着か、テンションか)
これを間違えると、他の数字がどれだけ近くても別物になります。
| 系統 | 打球感 | 代表 |
|---|---|---|
| 粘着(粘着性ハイテンション・強粘着) | ボールが表面に張り付く。回転をかけやすいぶん、自分で振らないと飛ばない | ディグニクス09C、VICTAS トリプル、ヤサカ ラクザZ、ニッタク キョウヒョウ |
| テンション(非粘着) | 食い込んで弾く。振り抜けば勝手に飛ぶ | ディグニクス05・80・64、テナジー05・05ハード・64・80・19 |
| 高弾性(昔ながらの裏ソフト) | 素直。値段が安く、基礎練習向き | ヤサカ マークV など |
テナジー05ハードは、名前とスピンの数字が09Cに近いのに、系統はテンション(非粘着)です。バタフライ公式の製品ページで、ディグニクス09Cは「粘着性ハイテンション裏ラバー」、テナジー05ハードは「ハイテンション裏ラバー」と書き分けられています。数字だけ見て乗り換えると、想定より弾きます。
いま使っているラバーがどの系統かを、先に確定させてください。粘着から非粘着へ(またはその逆へ)乗り換えると、打ち方ごと変わります。品薄をしのぐための一時的な代替でそれをやるのは、おすすめしません。
物差し②:スポンジ硬度 ※メーカーをまたぐと数字は比較できない
ここが今回いちばん伝えたい話です。
スポンジ硬度は、メーカーごとに測り方の基準が違います。47度と書いてあっても、メーカーが変われば同じ硬さとは限りません。
これは推測ではなく、メーカー自身が公表しています。ニッタクは製品ページで、自社基準と海外基準の両方を併記しています。
| 製品 | ニッタク基準 | 海外基準 |
|---|---|---|
| ファスターク G-1 | 37.5 | ドイツ基準 47.5 |
| ファスターク C-1 | 35.0 | ドイツ基準 45.0 |
| キョウヒョウ ネオ3 | 42.5 | 中国基準 39.0 |
同じ1枚のラバーで、10ポイントも数字が動きます。「ディグニクス09Cは44度だから、47度のラバーは硬すぎる」という判断は、メーカーが変わった時点で成り立ちません。
硬度の数字で比べていいのは同じメーカーの中だけ。メーカーをまたぐときは、数字ではなく「そのメーカーの中で上から何番目に硬いか」で見てください。
なお、筆者が確認した範囲では、ヤサカ・VICTAS・andro の公式ページに他基準への換算表記は見当たりませんでした(2026年9月8日時点)。メーカー横断の換算表は、公式には用意されていないと考えたほうがよさそうです。
物差し③:スピードとスピンのバランス
同じメーカーの中で置き換えるなら、公式の性能値が使えます。バタフライの主要モデルはこうなっています。
| 製品 | スピード | スピン | 弧線 | 硬度 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| ディグニクス09C | 79 | 96 | 96 | 44 | オープン価格 |
| ディグニクス05 | 86 | 85 | 88 | 40 | オープン価格 |
| ディグニクス80 | 88 | 82 | 86 | 40 | オープン価格 |
| ディグニクス64 | 90 | 79 | 84 | 40 | オープン価格 |
| テナジー05ハード | 82 | 96 | 92 | 43 | オープン価格 |
| テナジー05 | 83 | 76 | 79 | 36 | オープン価格 |
| テナジー19 | 84 | 75 | 78 | 36 | オープン価格 |
| テナジー80 | 85 | 73 | 77 | 36 | オープン価格 |
| テナジー64 | 87 | 70 | 75 | 36 | オープン価格 |
| ロゼナ | 83 | 70 | 75 | 35 | 5,500円 |
| ラウンデル | 77 | 43 | 58 | 35 | 4,620円 |
| フレクストラ | 29 | 10 | 15 | 32 | 2,200円 |
出典:バタフライ公式 各製品ページ(2026年9月8日確認)
古いレビュー記事の数値と食い違うのはなぜ?
バタフライは「測定および評価方法の向上に伴い、2023年2月よりラバーの性能指標を改定」と全製品ページに注記しています。2023年1月以前に書かれたレビュー記事の数値と、いまの公式値はそのまま比べられません。ネットで見た数字と公式サイトの数字が違っても、片方が間違いとは限らないということです。
バタフライの中で置き換えるなら
まずは同じメーカーの中で探すのが安全です。打球感の系統がそろっているので、外れが小さくて済みます。
ディグニクス09C が買えないとき
先に結論を言うと、バタフライの現行ラインナップに、09Cと同じ粘着系統のラバーは他にありません。系統をそろえて探すなら、次の章の他社(VICTAS トリプル・ヤサカ ラクザZ・ニッタク キョウヒョウ)を先に見てください。
そのうえで、バタフライ内で数字がいちばん近いのはテナジー05ハードです。スピン96という数字を持つのは、09Cとテナジー05ハードだけ。弧線は96対92、硬度は44対43で、他のモデルと比べれば明らかに近い位置にいます。
ディグニクスとテナジーのスポンジの違いは、公式が数字で説明しています。ディグニクスのスプリング スポンジXは、テナジーのスプリング スポンジに比べて、ボールが食い込むときの変形しやすさが約14%、はね返るときの反発弾性が約3%向上しているとのこと。変形は1割強、反発は数%の差です。
ただし、系統はテンション(非粘着)に変わります。打球感はつかむから弾くへ寄ります。物差し①で書いたとおり、系統をまたぐ乗り換えは打ち方まで変わるので、これは数字が近い代役であって同じものではありません。数字を優先するか、系統を優先するかで選ぶ先が変わります。
ディグニクス05・80・64 が買えないとき
同じ番号のテナジーが素直な代役です。05は05、80は80、64は64で、スピンとスピードの並び順が保たれています(05がスピン寄り、64がスピード寄り、80がその間)。
硬度はディグニクスが40、テナジーが36なので、テナジーのほうがやわらかく感じるはずです。そこだけ想定しておいてください。
予算を下げてしのぐなら
ロゼナ(5,500円)はスピード83・スピン70。スピードはテナジー05と同じ83、スピンはテナジー64と同じ70という位置です。テンション系の中では素直な部類なので、品薄の期間だけ予算を落として耐えるという選び方もあります。
他社で置き換えるなら(公式の数値が確認できたものだけ)
ここから先はメーカーが変わるので、硬度の数字は横並びで比較しないでください(物差し②のとおりです)。あくまで、そのメーカーの中でどのくらいの位置かとして見てください。
粘着系(ディグニクス09Cの代わり)
| メーカー | 製品 | 硬度(各社の自社表記) | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| VICTAS | トリプル ダブルエキストラ | 57.5±3 | 5,940円 |
| VICTAS | トリプル エキストラ | 55.0±3 | 5,500円 |
| VICTAS | トリプル レギュラー | 42.5±3 | 4,400円 |
| ヤサカ | ラクザZ | 47〜52° | 6,930円 |
| ヤサカ | ラクザZ エクストラハード | 52〜57° | 6,930円 |
| ニッタク | キョウヒョウ ネオ3 | 42.5(中国基準39.0) | 5,720円 |
| ニッタク | キョウヒョウ プロ3 | 42.5(中国基準39.0) | 5,500円 |
VICTASのトリプルは3段階そろっているのが強みです。硬すぎたら1段下げるという調整が、同じシリーズの中でできます。
テンション系(ディグニクス05・80・64、テナジーの代わり)
| メーカー | 製品 | 硬度(各社の自社表記) | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| VICTAS | V>15 エキストラ | 47.5±3 | 7,260円 |
| VICTAS | V>15 スティフ | 45.0±3 | 7,260円 |
| VICTAS | V>15 リンバー | 40.0±3 | 7,260円 |
| ニッタク | ファスターク G-1 | 37.5(ドイツ基準47.5) | 7,480円 |
| ニッタク | ファスターク C-1 | 35.0(ドイツ基準45.0) | 7,260円 |
| ヤサカ | ラクザX | 45〜50° | 6,930円 |
| andro | ラザンター R47 | 47° | 8,140円 |
| andro | ラザンター R48 | 48° | 8,360円 |
こちらもV>15が3段階で並んでいるので、硬さの当たりを付けやすい構成です。
値段を下げて、とりあえず打てる状態にする
子どもの用具や、部活で急に必要になったときはここです。
| メーカー | 製品 | 種類 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| ヤサカ | マークV | 高弾性 | 3,520円 |
| ニッタク | ファクティブ | テンション | 4,950円 |
| VICTAS | ヴェンタス レギュラー アルファ | 高弾性 | 3,520円 |
| バタフライ | フレクストラ | 高弾性 | 2,200円 |
安いラバーだと下手になりませんか?
数か月なら大丈夫です。むしろ弾みが抑えられるぶん、自分で振って回転をかける感覚は戻りやすいくらい。困るのは今までどおりに打てないことより、試合前に打ち慣れないものへ替えることのほうです。
在庫の探し方(順番どおりにやると早い)
闇雲に探すより、確度の高い順に当たったほうが早く終わります。
バタフライ公式オンラインショップを見る
butterfly.shop。製品ページから、その商品の販売ページへ直接飛べます。メーカー直販なので、入荷したら早いはずです。
特別会員店を都道府県から探す
バタフライ公式サイトに都道府県別の一覧があります。ただしリアルタイムの在庫は表示されません。一覧から近い店を選んで、電話で在庫を聞くのが確実です。
卓球専門の通販を回る
専門店は厚さ・色ごとに在庫表示が細かいので、特厚の黒だけ無いといった状況を把握しやすいです。
Amazon・楽天を見る
出品者が複数いるぶん、公式や専門店に無いものが残っていることがあります。ただし価格が上振れしていることもあるので、定価と比べてから。
入荷通知を登録して待つ
ここまで空振りなら、探す時間より待つほうが安上がりです。
品薄のときは、定価から大きく離れた値付けや、出所のはっきりしない出品が出てきます。メーカー希望小売価格(分かるものは上の表を参照)と見比べてから買ってください。バタフライの主力ラバーはオープン価格なので定価がありませんが、その場合も複数の店の値段を並べれば相場は見えます。
買えない期間は、いま貼ってあるラバーを延命する
代わりを探すのと同じくらい効くのが、今のラバーを1か月長く使うことです。品薄はいつか終わるので、それまで持たせれば買わずに済みます。
寿命の目安(体感ベース・使い方で前後します)
- 週1回くらいのペース:3〜4か月
- 週3回以上:約2か月
- ほぼ毎日:1〜1.5か月
テンション系の裏ソフトは負荷が大きく、劣化はやや早めです。あくまで目安で、打ち方やボールの当たり方で変わります。
交換のサイン
- 回転がかからない、滑る感じがする
- 裏ソフトは表面の光沢が消え、中央が白っぽく曇ってくる
- 表ソフト・粒高は粒の角が丸くなる(粒の根元が切れたら即交換)
持ちを変える手入れ
劣化の要因は空気・乾燥・直射日光・ホコリの4つです。逆に言えば、この4つを防ぐだけで持ちが変わります。
練習後にクリーナーで拭く
裏ソフトは泡タイプを薄く伸ばして拭き取る。
保護シートを貼る
乾いてから貼って、空気から守る。
ケースに入れる
直射日光と擦れを避ける。
乾燥剤を入れる
湿気からラバーと木材(ラケット)を守る。
子どもは自分から滑ってきたとは言いません。月初めに光沢と粒の状態を親が見て、交換時期をメモしておくと試合前に慌てずに済みます。予備を1枚常備しておくのも同じ理屈です。
〔やすたみ記入:実際に使っているクリーナー・保護シート・ケースの製品名があればここに。写真があるとなお良い〕
よくある質問
- 品薄はいつ解消しますか?
-
公式には書かれていません。バタフライは2026年6月に第2ラバー棟を新設して生産能力の拡充を進めるとしていますが、時期の明言はありません。近いうちに戻ると書いているサイトがあっても、それは公式情報ではないので注意してください。
- 品薄なのはディグニクス09Cだけですか?
-
公式のお詫び文に個別のモデル名は出てきません。対象はラバーとだけ書かれています。どのモデルが手に入るかは、店や地域によって違う可能性があります。
- 硬度が同じなら、メーカーが違っても同じ硬さですか?
-
違います。ニッタクは自社基準とドイツ基準・中国基準を併記していて、同じ製品でも数字が10ポイント近く変わります。メーカーをまたぐときは数字ではなく、そのメーカーの中での位置で見てください。
- 試合が近いのですが、今のうちに別のラバーへ替えたほうがいいですか?
-
試合直前に打ち慣れないラバーへ替えるのはおすすめしません。今のラバーが持つなら手入れで延命して、試合が終わってから落ち着いて選ぶほうが安全です。
- 中古やフリマで買っても大丈夫ですか?
-
ラバーは使用と保管の状態で性能が大きく変わる消耗品です。未開封と書かれていても、製造からどれだけ経ったかは分かりません。品薄のときほど、こういう出品が増えます。
まとめ
- バタフライは2026年9月3日に「ラバー」の品薄をお詫び。原因は需要増と原材料の調達環境。2026年6月に第2ラバー棟を新設済み
- 公式はモデル名も解消時期も書いていない。ネットの「◯◯が品薄」は現場の実感であって公式情報ではない
- 代わりを探す順番は シートの系統 → スポンジ硬度 → スピードとスピンのバランス
- 硬度の数字はメーカーをまたぐと比較できない。同じメーカーの中での位置で見る
- バタフライ内に09Cと同じ粘着系統は無い。系統をそろえるなら他社、数字をそろえるならテナジー05ハード(ただし非粘着)
- ディグニクス05・80・64が買えないときは、同じ番号のテナジーが素直な代役
- 探す順番は 公式オンラインショップ → 特別会員店 → 卓球専門通販 → Amazon・楽天 → 入荷通知で待つ
- 買えない期間は、手入れで今のラバーを延命するのがいちばん安い
品薄はいつか終わります。終わったときに、あのとき変な買い方をしなくてよかったと思えるほうが、たぶん得です。
参考にした一次情報
- バタフライ公式「「ラバー」品薄のお詫び」2026年9月3日(butterfly.co.jp)
- バタフライ公式 ラバー製品ページ/性能指標について/ラバーのテクノロジー/特別会員店
- ニッタク「2026年2月1日からの価格改定について」2025年12月24日、および各ラバー製品ページ
- VICTAS「価格改定(値上げ)のお知らせ」2026年2月6日、および各製品ページ
- ヤサカ公式 製品ページ/andro 公式 ラザンター製品ページ
- ※価格・スペックは2026年9月8日に各メーカー公式サイトで確認したものです。

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