部屋干しが乾かない本当の理由|実測で最も早く乾いたのは「除湿機×サーキュレーター」でした【2026年版】

部屋干しが乾かない理由と早く乾かす方法 除湿機・サーキュレーター・エアコンの使い分け
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洗濯物を部屋に干して、夜になってもまだ湿っている。触ると生乾きで、翌朝には少し臭う。

このとき多くの人がまず疑うのは干し方です。間隔が狭かったかな、ハンガーが足りなかったかな、と。

ただ、除湿をしないまま洗濯物4kgを6畳の部屋に干すと、部屋の湿度そのものが最大で20%くらい上がります。空気が水分でいっぱいになった部屋では、どんなに上手に干しても、洗濯物から水が逃げていく先がありません。

この記事では、メーカーと研究機関が公開している実測データを突き合わせて、扇風機やサーキュレーターでどこまで乾くのか、洗濯物が何kgを超えたら除湿機が要るのかを整理します。あわせて2026年8月時点で売れている衣類乾燥除湿機6台のスペックと実売価格、電気代の目安もまとめました。

ついでに、部屋干しの記事でよく見る「5時間で臭う」や「アーチ干し」が、どこの誰の実験なのかもたどり直しています。調べてみると、よく言われている帰属が1つずれていました。

目次

部屋干しが乾かないのは、干し方より先に「部屋の空気」の問題

部屋干しの相談で最初に出てくるのは干し方の話です。けれど順番としては、部屋の空気のほうが先にきます。洗濯物から出た水分が部屋にたまったままでは、干し方をいくら工夫しても頭打ちになるからです。

この記事の結論
  • 洗濯物が乾く条件は温度・湿度・風の3つ。風だけを足しても、部屋の湿度が上がってしまえば効きが鈍る
  • 目安は洗濯物の量。1〜2人分(1.5〜3kg程度)ならサーキュレーターや扇風機で足りる
  • 4kg前後の家族分になったら除湿を足すのが現実的。除湿せずに4kgを6畳に干すと室内の湿度が最大で約20%上がる(パナソニックの実験)
  • 実測で最も効率がよかった組み合わせは除湿機×サーキュレーター(東京電力エナジーパートナーの検証)

まず押さえたいのは「湿った空気の逃げ場」

洗濯物が乾くというのは、繊維の水が蒸発して空気に移ることです。移った先の空気がすでに水分でいっぱいなら、それ以上は移れません。

パナソニックが公開している実験では、洗濯物 約4kg(バスタオル3枚、タオル2枚、Yシャツ2枚、ジーンズ1本など計17点)を6畳相当の空間に干し、初期20℃・湿度70%・換気回数0.5回/h(24時間換気を想定)で10時間置いています。

その結果、自然乾燥と扇風機のケースでは、スタート時と比べて室内湿度が最大で約20%上昇し、10時間たっても湿度は10%以上高いままでした。扇風機を回しても、10時間後に約20%の水分が残ったとされています。

一方、同じ実験で衣類乾燥除湿機(エコ・ハイブリッド方式)を使ったケースは、6時間後に96%の水分がなくなり、7時間後には残水分ゼロ。運転開始4時間あたりで室内の湿度も40〜60%の範囲に入っています。

出典:パナソニック「衣類乾燥除湿機 vs 扇風機・自然乾燥」panasonic.jp(2026年8月6日取得)

「風を当てれば乾く」は、量が少ないときの話

風を当てれば乾く、というのは間違いではありません。ただし洗濯物の量によって話が変わります。

ライオンの実験では、脱水直後の綿タオルを20℃・湿度60%の室内に干すと乾くまで約4時間半、扇風機の風(弱で十分)を当てると約2時間半で、乾燥時間は約45%短縮しています。

タオル1枚なら風だけで足りる。でも家族分をまとめて干すと、そもそも部屋の空気が飽和してしまう。ここが分かれ道でした。

タオル1枚なら、風を当てるだけで部屋の湿度はほとんど動きません。だから素直に効きます。けれど家族分の洗濯物を一度に干せば、そこから出る水分で部屋の湿度が上がっていく。風は洗濯物のまわりの空気を入れ替える道具であって、部屋の水分を減らす道具ではない、というのがこの2つの実験の差です。

出典:Lidea by LION「部屋干しで洗濯物を早く乾かすコツ」lidea.today(2026年8月6日取得)

実測データで見る|温度・湿度・風のどれがいちばん効くか

乾く条件そのものは単純です。温度が高いほど、湿度が低いほど、空気が動いているほど乾きます。問題は、そのうちどれがどれくらい効くのかが感覚では分からないこと。実験データで見ると差がはっきりします。

パナソニックのUP LIFE記事では、監修の神崎健輔さん(洗濯・シミ抜き職人)が、乾きやすさの目安として湿度50%以下を挙げています。温度は高いほど、空気の流れは水分の逃げ場をつくるために必要、という整理です。

条件を変えて乾燥時間を測った実験

より踏み込んだ実測が、日本建築学会近畿支部研究発表会で積水ハウス総合住宅研究所が発表した実験です。幅2m×奥行3m×高さ2.5mの人工気象室に、4人家族1日分の洗濯物34点を干して乾燥時間を比べています。

この実験の条件に注意

この実験は外気5℃・室初期15℃という冬の条件です。夏にそのまま当てはまる数字ではありませんが、条件ごとに差がどう付くかは参考になります。

条件乾燥までの時間
干しただけ(換気0.5回/h)18時間以内に乾燥せず
屋外の空気で換気5回/h(給気5℃80%)18時間以内に乾燥せず
屋内の空気で換気5回/h(給気20℃40〜50%)約18時間
上に扇風機2台の気流を追加約10時間半
電気ファンヒータで暖房約16時間半
デシカント式の除湿乾燥機約7時間

目を引くのは、外の空気を入れる条件が2番目に置かれているのに18時間以内に乾いていないことです。冬の外気を入れると室温が下がり、そのぶん蒸発が進まない。換気さえすれば乾く、という直感は冬には当てはまりません。

一方で気流を足すと大きく縮みます。同じ換気条件に扇風機2台を加えただけで約7時間半短縮しました。そして最も速いのは除湿乾燥機の約7時間で、扇風機ありの条件よりさらに3時間半速い。

同じ発表では、洗濯物を干しただけの条件で室内の相対湿度が90%以上に維持され、結露の発生や内装材への悪影響の危険性がある、とも指摘されています。

出典:出端祐輔・埴淵晴男(積水ハウス総合住宅研究所)平成22年度 日本建築学会近畿支部研究発表会 研究発表梗概(PDF)(2026年8月6日取得)

洗濯物1回分の水はどれくらいあるのか

同じ発表によると、4人家族1日分(34点、主に綿)の絶乾重量5.8kgに対し、洗濯・脱水後に含まれる水分は絶乾重量の60%程度=約3.5kg。つまり洗濯物と一緒に、500mlペットボトル約7本分の水を部屋に持ち込んでいることになります。

なお、大人1日ひとり分の洗濯物量の目安は約1.5kg(パナソニック調べ。各衣類の重さは一般財団法人 日本電機工業会の自主基準による)。子どもの分は少なくなりますが、4人家族なら1日4〜6kg前後を見ておくと大きく外しません。パナソニックの実験で湿度が20%上がったのが、ちょうどこの4kgです。

洗濯物が乾く3つの条件 温度・湿度・風と湿った空気の逃げ場
洗濯物が乾く条件は温度・湿度・風の3つ。風は洗濯物のまわりの空気を入れ替える道具で、部屋の水分そのものは減らせない。

生乾き臭と「5時間」|よく見る数字の出どころを確かめた

部屋干しの記事でほぼ必ず出てくるのが、5時間以内に乾かさないと臭う、という数字です。よく見かけるわりに、誰がどんな条件で言っているのかは書かれていないことが多い。今回、出どころをたどってみました。

原因菌を特定したのは花王、時間を言っているのは花王ではない

生乾きの雑巾のようなニオイの成分は4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)で、これを発生させる菌を分離・同定したのは花王です。愛知学院大学薬学部の河村好章教授の指導のもと、モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis)と同定したことを2011年に発表しています。

出典についてひとこと

この2011年のニュースリリースは、現在は花王の公式サイト上で見つけられませんでした。いま参照できる花王名義の記述は2022年のリリースで、そこでは「生乾き臭がする衣類でよく見られるモラクセラ(Moraxella)属細菌等が高頻度で見られました」と、属のレベルで書かれています。この記事では、種名まで特定した2011年の発表があった事実と、いま確認できる範囲を分けて書いています。

そして肝心なところですが、花王は時間の数字を出していません。花王のくらしラボにあるのは、濡れた状態が長く続くと菌が爆発的に増殖する、という書き方までです。

「5時間」を言っているのはライオンとパナソニック

ライオンは自社サイトで、におい・かおり環境学会誌の論文(松永聡, 36(2), 82, 2005)を脚注に挙げたうえで、環境にもよるが、干してから5時間後くらいからニオイが発生してくるとしています。

パナソニックはエアコンの部屋干し解説ページで、濡れた状態が5時間以上続くとニオイが出やすいため5時間以内に乾かすことを推奨しています。

この5時間、少し誤解されています

ライオンの表現は「5時間後くらいからニオイが発生してくる」であって、5時間以内なら臭わない、ではありません。環境にもよる、と本人が但し書きを付けています。5時間は安全ラインではなく、目安の一つと受け取るのが正確です。

とはいえ、メーカー2社が近い数字を出していること自体は判断材料になります。5時間で乾く見込みが立たないなら、干し方の工夫ではなく除湿を足す。そう考えるほうが実用的です。

出典:花王 ニュースリリース(2022年4月14日)花王 My Kao くらしラボLidea by LIONパナソニック(いずれも2026年8月6日取得)

部屋干しを早く乾かす最短ルート|実測で最も効いたのは除湿機×サーキュレーター

では何と何を組み合わせるのが効率がよいのか。ここについては、条件を開示したうえで比較している検証があります。

東京電力エナジーパートナーの検証結果

室温22℃・湿度75%程度に設定した8畳の部屋で、家電を30分間稼働させ、濡らしたガーゼハンカチの重量変化で乾き具合を比べた検証です。実験監修はNPO法人ガリレオ工房。

順位組み合わせ水分量の変化消費電力量
1位サーキュレーター×除湿機−71.5g0.102kWh
2位サーキュレーター×エアコン冷房×除湿機−66.3g0.146kWh
3位サーキュレーター×エアコン冷房−43.1g0.065kWh

上位すべてにサーキュレーターが入っていること。そして3台同時使用が1位ではなかったこと。この2つが目を引きます。ガリレオ工房は、3台が1位でない理由について、エアコン冷房の除湿機能と除湿機の除湿機能が重複したためと推測しています。湿度が下がりきった環境ではそれ以上下げられないので、除湿を二重にしても効果は期待できない、という説明です。

電気代の観点でも、1位は2位より消費電力量が3割ほど少なくなっています。除湿機とサーキュレーターの2台でよく、エアコンまで足す必要はないというのが、この検証から言えることです。

ただし、この検証の条件は小さい

この結果は濡らしたガーゼハンカチ1枚を30分という、実際の部屋干しよりずっと小さいスケールで測ったものです。洗濯物4kgを数時間干す場面では、部屋の湿度の上がり方が違うため、順位がそのまま当てはまるとは限りません。

記事中にも、住環境や外気、家電の使い方によって結果は大きく変わる可能性がある、という断り書きが付いています。1回の検証結果としてお読みください。

メーカーも併用を推奨している

日立は洗濯機のサポートFAQで、エアコンや除湿機、扇風機、サーキュレーターの併用について、湿度が下がり空気が循環するため乾きやすくなる、と回答しています。

アイリスオーヤマにいたっては、サーキュレーターと除湿機を一体化した製品を出しています。開発者インタビューでは、部屋干しという同じ目的で使われている2つを一体化すればより短時間で乾かせるのでは、という発想だったと語られています。

エアコンはどこで使うのが正解か

上の検証では脇役に回りましたが、エアコンが無意味というわけではありません。使いどころが違うだけです。

ダイキンの説明では、エアコンの除湿には方式の違いがあります。再熱除湿方式は冷やして除湿した空気を暖め直すため、消費電力が冷房より多い。弱冷房方式やハイブリッド方式は冷房より少なくてすみます。部屋の温度を下げたくない梅雨や夜には再熱除湿が向く、という整理です。

冷房と除湿、どちらが安いか

よく議論になるところですが、ダイキンは冷房と除湿のどちらが安くなるとは言えないと明言しています。使用環境・設定温度・設定湿度で変わるためです。

パナソニックのエアコン商品企画担当者は、使い分けの目安として室温30℃を超えるなら冷房、超えないなら除湿を挙げています。温度が高いときに除湿しようとすると運転時間が延び、そのぶん電力を使うから、という理由です。

部屋干し向けには、パナソニックのエオリアやシャープなどに衣類乾燥モードを積んだ機種があります。ただし温度・湿度・風量を調整できず、人がいない部屋での使用を前提にしている機種もあるので、取扱説明書の条件を確認してから使ってください。

エアコンで部屋干しをするときの当て方は、パナソニックが具体的に書いています。吸い込み口が上部にあるので、エアコンの前に洗濯物を干し、その下から扇風機の風を当てる

サーキュレーターそのものの選び方(DCモーター・静音・首振り)は、別記事にまとめています。

出典:東京電力エナジーパートナー日立アイリスオーヤマダイキンPanasonic UP LIFE(いずれも2026年8月6日取得)

衣類乾燥除湿機の選び方|方式・広さ・置き場所

除湿機を買うと決めたあと、最初につまずくのが方式の違いです。ここを外すと、夏は効くのに冬は使えない、あるいは電気代が想定の倍かかる、ということが起きます。

除湿方式は大きく3つ

シャープは公式Q&Aで3方式を次のように説明しています。

  • コンプレッサー式:冷凍サイクルで除湿する。除湿量が大きく消費電力も小さいが、室温が下がると除湿能力が低下する
  • デシカント(ゼオライト)式:吸湿材で水分を吸い、ヒーターで除去する。消費電力が大きく排熱量も多いが、室温が下がっても除湿量の低下は少ない
  • ハイブリッド式:両方を組み合わせた構造。両方の良い点を持つが、その分 大きさ・重量が大きくなる

消費電力の差は大きく、価格.comの選び方ガイドによればデシカント式はコンプレッサー式の2〜3倍です。

季節での使い分け
  • 夏メインで使う → コンプレッサー式。今の時期に買うならまずここ
  • 冬の結露対策や冬の部屋干しも重視 → デシカント式かハイブリッド式
  • 通年で1台にまとめたい → ハイブリッド式。ただし重く、価格も上がる
除湿方式3タイプの比較 コンプレッサー式・デシカント式・ハイブリッド式
コンプレッサー式は夏、デシカント式は冬、ハイブリッド式は通年。室温上昇はどの方式でも起きる。

「除湿機を使うと部屋が暑くなる」は方式を問わず起きる

よくある誤解として、デシカント式だけが室温を上げるというものがあります。三菱電機は公式サイトで数字を出しています。

メーカーが公表している室温上昇

コンプレッサー式で室温上昇が2〜6℃程度、デシカント式で3〜8℃程度(三菱電機)

つまり差は上限で2℃ほどで、コンプレッサー式でも室温は上がります。コロナも公式に、除湿機に部屋を冷やす機能はなく運転中は熱を発生する、と明記しています。夏に締め切った部屋で使うなら、どの方式でも暑くなる前提で考えたほうがよいです。

部屋の広さから必要な除湿能力を決める

パナソニック公式と価格.comの選び方ガイドで、数値が完全に一致している対応表があります。

1日あたりの除湿量木造住宅鉄筋住宅
4.5〜6.3L6〜8畳未満13〜16畳未満
6.3〜8.0L8〜10畳未満16〜20畳未満
8.0〜11.0L10〜14畳未満20〜28畳未満
11.0〜18.0L14〜23畳未満28〜45畳未満

なお除湿能力は50Hzと60Hzで数字が変わります。東日本は50Hz、西日本は60Hz。カタログの大きいほうの数字だけ見ていると、東日本では能力が足りないことがあります。

カタログでは分かりにくい|運転音のdBには公的な基準がある

公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会は、35dB未満を静音・静か、35〜45dB未満を低騒音、45dB以上をそれ以外、と用語の使い分け基準を定めています。寝室で夜に回すなら、この基準で35dB前後に収まるモードがあるかを見ておくと外しにくくなります。

カタログでは分かりにくい|連続排水の有無は後から効いてくる

タンクは満水になると運転が止まります。除湿能力が高い機種ほど早く満水になるので、長時間まわしたいなら連続排水に対応しているかを確認しておく。市販ホース(内径は機種により異なり、たとえばパナソニック機は内径15mm)で洗面台などに流せます。能力が高いのに連続排水が使えない組み合わせは、後で不便になりがちです。

カタログでは分かりにくい|送風の届く範囲は機種でかなり違う

洗濯物に風を当てるための送風は、左右にどこまで届くかがカタログに書かれています。幅約100cmの機種もあれば、約185cmの機種もある。干す幅より送風が狭いと、端の洗濯物は乾くのに時間がかかります。ハンガーラックの幅を測ってから選ぶと、ここで外しません。

ただしこの数値は、吹出口からの距離や高さといった測定条件つきで公表されています(たとえばシャープCV-UH160の185cmは吹出口より前方約50cmでの範囲)。機種間の目安として見てください。

出典:シャープ Q&A三菱電機コロナパナソニック価格.com全国家庭電気製品公正取引協議会(いずれも2026年8月6日取得)

2026年8月時点の衣類乾燥除湿機6台を比較

ここからは実機のスペックです。価格.comの除湿機 人気売れ筋ランキング(2026年8月5日更新/集計期間 2026年7月29日〜8月4日)の上位から、方式と価格帯が分散するように6台を選びました。あわせて、電気代の話で必ず引き合いに出るパナソニックの上位機 F-YEX120B も参考として1台併記します。

価格はすべて2026年8月6日時点の価格.com最安値です。

基本スペック

機種除湿方式除湿能力 50/60Hz適用畳数 木造〜鉄筋(50Hz)価格.com最安
シャープ CV-T71-Wコンプレッサー6.3/7.1 L/日8〜16畳20,343円
シャープ CV-UH160-Wハイブリッド12.5/15 L/日16〜32畳55,000円
シャープ CV-T190-Wコンプレッサー16.5/18.5 L/日21〜42畳43,800円
三菱 MJ-P180ZX-Wコンプレッサー15.5/18 L/日19〜39畳50,913円
コロナ CD-S6326(W)コンプレッサー5.6/6.3 L/日7〜14畳23,592円
パナソニック F-YEX90D-Wエコ・ハイブリッド7.8/8.5 L/日10〜20畳50,553円
【参考】パナソニック F-YEX120B-Wエコ・ハイブリッド10.5/12.5 L/日13〜27畳67,368円

衣類乾燥まわり

機種2kg乾燥時間衣類乾燥時 消費電力 50/60Hz運転音質量連続排水
シャープ CV-T71-W約167分205/210W27〜40dB9.6kg
シャープ CV-UH160-W約54分680/705W27〜43dB16.2kg
シャープ CV-T190-W約74分300/340W25〜48dB16.9kg
三菱 MJ-P180ZX-W約114分330/390W38〜48dB15.2kg
コロナ CD-S6326(W)約136分190/215W34〜36dB8.3kg
パナソニック F-YEX90D-W約125分175/185W39〜48dB9.7kg×
【参考】パナソニック F-YEX120B-W約90分205/225W37〜49dB13.0kg
乾燥時間の数字について

乾燥時間は各社が日本電機工業会の自主基準(JEMA-HD090:2017)に基づいて公表している値で、条件は洗濯物約2kg・室温20℃・湿度70%・6畳相当・60Hz地区です。同じ試験基準の値なので、横並びの目安として使えます

ただし各社が測っているモードの呼び名は速乾・標準などまちまちで、いずれも衣類乾燥の最速側のモードです。同一モード名での比較ではない点は割り引いてください。

はじめての1台なら|コロナ CD-S6326 とシャープ CV-T71

6〜8畳の部屋で1人分から2人分を乾かすなら、この2台が入口です。

コロナ CD-S6326(W) は運転音が34〜36dB。幅が2dBしかなく、最大でも36dBに収まるのが特徴です(最も静かなモードの数値ならCV-T190の25dBのほうが下ですが、そちらは最大48dBまで振れます)。幅170×奥行365mmと奥行より幅が狭い縦長なので、洗面所の隙間に置きやすい形。質量8.3kgも今回で最軽量です。2kgを約136分、1回あたり約553Whで乾かします。

夜まわしっぱなしにしたい、寝室の隣に置く、という使い方をするなら、うるさくなる上限が低いことは効きます。

シャープ CV-T71-W はランキング1位で、価格.com最安が20,343円と最も安い。除湿能力6.3/7.1L/日、質量9.6kg。ただし上下ルーバーが手動で左右スイングがなく、送風の届く範囲もカタログに数値の記載がありません。2kgの乾燥に約167分かかり、今回で最も時間がかかります。

乾く時間より初期費用を優先する人、まず除湿機というものを試してみたい人には、これで足ります。

とにかく速く乾かしたいなら|シャープ CV-UH160

2kgを約54分。今回で断然速く、2番手のCV-T190(約74分)に20分差をつけています。梅雨時(室温20℃)の値で、冬季(室温10℃)でも約70分。

速さの理由はハイブリッド式でヒーターを併用しているところにあります。その代わり衣類乾燥(速乾)時の消費電力は680/705Wと今回で最大。速さと電気代はきれいにトレードオフになっています。

上下自動+左右自動のトリプルルーバーで、左右ワイド送風は185cm。干す幅が広い家庭ではこれが効きます。質量16.2kgと重いので、4輪キャスターがあるとはいえ階をまたぐ持ち運びには向きません。

朝干して夕方までに乾かしたい、共働きで干せる時間が限られている。そういう家庭なら、電気代の差より1時間の短縮のほうが価値があります。

電気代を抑えたいなら|パナソニックのエコ・ハイブリッド

パナソニック独自のエコ・ハイブリッド方式(特許第6643569号)で、コンプレッサー方式と空冷除湿方式の2つの冷却機構を使います。同社は同じ除湿量クラスの従来ハイブリッド機との比較で消費電力を約69%削減としたうえで、ただし乾燥時間は長くなりますと公式に明記しています(除湿量8.5L/日クラスで、エコ・ハイブリッド185W対 従来ハイブリッド555W)。

この2機種は電気代の性格がはっきり分かれます。

機種2kg乾燥時間1回の消費電力量1回の電気代連続排水価格.com最安
F-YEX90D約125分370Wh約11.5円×50,553円
F-YEX120B約90分312Wh約9.9円67,368円

見てのとおり、上位のF-YEX120Bのほうが速くて電気代も安いという逆転が起きています。1回あたり1.6円の差なので、電気代だけで本体の16,815円差を埋めるには一万回近くまわす計算になり、そこは現実的ではありません。

この2台の選び分け
  • 本体価格を優先するならF-YEX90D。ただし連続排水に対応していません。幅470×高さ335mmと横長で低い形なので、置き場所の想定も他機種と変わります
  • 連続排水や乾燥の速さを取るならF-YEX120B。長時間まわす前提の家庭はこちら

広いLDKや家族分をまとめて乾かすなら|シャープ CV-T190・三菱 MJ-P180ZX

除湿能力16.5/18.5L/日のCV-T190は木造21畳・鉄筋42畳まで。2kgを約74分と速く、消費電力は300/340Wでハイブリッドより抑えめ。速さと電気代のバランスでは今回で最も良い位置にいます。

リビングに干す、洗面所とリビングで持ち回る、という使い方なら、まずこれを基準にして比べると分かりやすいです。

三菱 MJ-P180ZX は15.5/18L/日で、洗濯物は約6kgまで対応。夜干しモードは満水アラーム音をオフにし、満水後も送風運転で乾燥を続けます。ただし夜干しでは除湿能力が強モード比で約20%低下します。運転音は衣類乾燥の標準モードで47dB(夜干しは38dB)と、標準側は今回で大きめです。

洗濯物の量がとにかく多い、夜に干して朝に取り込む、という家庭には、6kg対応と夜干しの作り込みが効いてきます。

電気代の目安|浴室乾燥機・衣類乾燥機と比べる

先に結論だけ言うと、除湿機で洗濯物2kgを乾かす電気代は1回あたり10〜20円。同じ1時間で比べたとき、浴室乾燥機や衣類乾燥機よりかなり安く収まります。

電気代の比較でよくあるのが、条件がそろっていない表です。1時間あたりと1回あたりが混ざっていたり、1日と書いてあるものが24時間連続運転の換算だったり。ここでは条件を明記して並べます。

計算に使う電力量料金の目安単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している31円/kWh(税込・2022年7月改定)です。

1回分(洗濯物2kg)の電気代

条件:JEMA-HD090:2017、洗濯物約2kg、室温20℃・湿度70%、6畳相当、60Hz、各社の速乾または標準モード、31円/kWh

機種乾燥時間消費電力量電気代
パナソニック F-YEX120B90分312Wh約9.9円
パナソニック F-YEX90D125分370Wh約11.5円
シャープ CV-T190-W74分約419Wh約13.0円
コロナ CD-S6326136分553Wh約17.1円
シャープ CV-T71-W167分約584Wh約18.1円
シャープ CV-UH160-W54分約634Wh約19.7円
三菱 MJ-P180ZX-W114分約741Wh約23.0円
この表の数字の出どころ

消費電力量(Wh)をメーカーが公表しているのは、パナソニック2機種とコロナだけです。残る4機種は定格消費電力×乾燥時間で計算した目安で、運転中の消費電力は変動するため実際とは差が出ます。

またパナソニック2機種の電気代はメーカー公表値をそのまま載せています(同社の丸め方の条件までは公開されていないため、31円/kWhでの単純計算とわずかにずれます)。

速く乾く機種ほど安いわけではない、というのがこの表の見どころです。CV-UH160は54分で最速ですが1回あたりは約19.7円。F-YEX120Bは90分かかりますが約9.9円。時間を買うか、電気代を買うかという選択になります。

浴室乾燥機・衣類乾燥機との比較

方法1時間あたりの電気代条件
衣類乾燥除湿機(12.5L/日クラス・速乾)約7.0円パナソニック公式・60Hz・31円/kWh
浴室乾燥機(乾燥・強)約36.9円マックス BS-161H-2 の仕様から算出(中部電力ミライズ)
衣類乾燥機約38.9円消費電力1,255W想定(中部電力ミライズ)
エアコンの衣類乾燥モードメーカー公表値なし

12.5L/日クラスの省エネ機で比べると、除湿機は浴室乾燥機や衣類乾燥機の5分の1程度に収まります。ただし同じ除湿機でも消費電力の大きい機種(CV-UH160の705Wなど)なら約21.9円/時になるので、機種差のほうが方式差より大きいこともあります。

なお、エアコンの衣類乾燥モードについては、調べた範囲でメーカーが公表している消費電力量・電気代が見つかりませんでした。推計値を入れると3者比較の1列だけ根拠がなくなるので、ここは空欄のままにしています。

出典:パナソニックカテエネ(中部電力ミライズ)全国家庭電気製品公正取引協議会(いずれも2026年8月6日取得)

干し方のコツ|メーカーが実際に言っていること

除湿機やサーキュレーターを足したうえで、最後に効いてくるのが干し方です。ネット上には出どころの分からないコツが大量にありますが、ここではメーカーが自社で言っていることに絞ります。

間隔と干し方(花王・日立)

  • 洗濯物同士はこぶし1個分以上空け、密着・重なりを避ける(花王)
  • パーカー・トレーナーは逆さバンザイ干し。裾を上にし、袖を広げる(花王)
  • パンツ・スカートは裏返してポケットを出し、ウエストを複数箇所つまんで筒状に(花王)
  • バスタオルはじゃばら干しでジグザグに留め、重なりを減らす(花王)
  • 洗濯物の間隔は10cm以上。厚手と薄手を交互に干し、厚手の綿素材は風がよく当たる場所へ(日立)

アーチ干しの出どころ(ライオン)

角ハンガーの両端に長い衣類、中央に向かって短い衣類を吊るすアーチ干し。よく花王のものとして紹介されますが、これを実験・提唱しているのはライオンです。従来の長短干しに比べてだいたい30分程度早く乾くとされ、2013年に日本繊維製品消費科学会で発表されています(湿度・温度などの条件によって乾燥速度は変わる、という但し書き付き)。

面白いのはその後です。ライオン自身が、当初考えていた煙突効果による上昇気流という説明を、コンピュータシミュレーションの結果を受けて見直しています。

煙突効果による上昇気流で乾くスピードが早いと考えていたアーチ干しですが、コンピュータシミュレーションの計算の結果、実は、下降気流が発生していたことが分かりました。(中略)アーチ干しが最も早く乾く理由については、まだ謎が多いことも事実です

Lidea by LION

効果は実験で確認できているが理由はまだ分からない、と自社で書いているわけです。効くと分かっているなら使えばよく、理屈の説明を鵜呑みにする必要はない、という距離感で付き合うのがよさそうです。

風の当て方(パナソニック)

除湿機を使う場合、パナソニックは具体的な指示を出しています。

  • 除湿機の吹出口と洗濯物の間は40cm以上離し、風を幅広く当てる
  • 量が多いときはアーチ干し+上方向+ワイド送風。洗濯物は上から下に乾くので、乾きにくい下部分をめがけて送風する
  • ニット・セーターは平干しネットで、下から風が当たるように
  • ズボン・ジーンズは裏返して筒干し+スポット送風
  • 風量が大きいとハンガーがずれて洗濯物が一か所に寄るので注意
除湿機とサーキュレーターの置き方 吹出口と洗濯物は40cm以上あける
除湿機は洗濯物の真下から上向きに、サーキュレーターは下から乾きにくい下部分をめがけて送風する。

湿らせすぎにも、乾かしすぎにも注意

国土交通省 国土技術政策総合研究所のサイトでは、室内の相対湿度が高すぎると結露やカビの発生リスクが高くなること、24時間換気システムの電源を切らないことが案内されています。部屋干しで湿度が90%以上に張り付く状態は、洗濯物が乾かないだけでなく、家にとってもよくないわけです。

一方で、前出の建築学会の発表には逆方向の注意も書かれています。除湿機を連続運転すると乾燥完了時点で相対湿度が30%まで下がり、低湿が続くことで内装材に悪影響を及ぼす危険性がある、というものです。

自動停止機能(パナソニックのカラッとセンサー、シャープの衣類乾燥 自動運転やエコ自動、コロナのオートストップなど)が付いている機種を選び、乾いたら止まるようにしておくのが無難です。上で挙げた機種にもそれぞれ搭載されています。

出典:花王 My Kao くらしラボ日立Lidea by LIONパナソニック国土技術政策総合研究所(いずれも2026年8月6日取得)

よくある質問

除湿機とサーキュレーター、どちらを先に買うべきですか。

洗濯物の量で変わります。1〜2人分(1.5〜3kg程度)なら、サーキュレーターや扇風機だけでも乾燥時間はかなり縮みます(ライオンの実験では綿タオル1枚で約45%短縮)。一方、4kg前後の家族分をまとめて干すと部屋の湿度自体が上がるため、風だけでは頭打ちになります。パナソニックの実験では、洗濯物4kgを扇風機で乾かした場合、10時間後も約20%の水分が残っていました。量が多い家庭は除湿機が先です。

エアコンの除湿(ドライ)で部屋干しはできますか。

できます。ただし方式によって電気代が変わります。ダイキンの説明では、再熱除湿方式は冷やした空気を暖め直すため消費電力が冷房より多く、弱冷房方式やハイブリッド方式は冷房より少ない、という関係です。なお同社は、冷房と除湿のどちらが安いかは一概には言えない、とも明言しています。パナソニックの担当者は、使い分けの目安として室温30℃を超えるなら冷房、超えないなら除湿を挙げています。

冬の部屋干しにも同じ除湿機が使えますか。

コンプレッサー式は室温が下がると除湿能力が落ちます。冬も本格的に使うなら、デシカント式かハイブリッド式が向いています。ハイブリッド式のシャープCV-UH160は、2kgの乾燥時間が梅雨時(20℃)約54分に対し冬季(10℃)約70分。エコ・ハイブリッドのパナソニックF-YEX90Dは20℃で約125分に対し10℃で約177分と、方式によって冬の落ち込み方が違います。

除湿機を使うと部屋が暑くなると聞きましたが本当ですか。

本当です。しかもデシカント式に限りません。三菱電機は、コンプレッサー式で室温上昇2〜6℃程度、デシカント式で3〜8℃程度としています。コロナも公式に、除湿機に部屋を冷やす機能はなく運転中は熱を発生すると明記しています。夏に締め切った部屋で使うときは、この分を見込んでおいてください。

この記事に載せなかったデータはありますか。

あります。ある大手メーカーが部屋干しの乾燥時間について3倍速乾と公表していますが、比較対象も試験条件も公表されていなかったため採用しませんでした。同じ理由で、エアコンの衣類乾燥モードの電気代も空欄のままにしています。数字そのものより、何と比べて、どんな条件で測ったのかが書かれているかを採用の基準にしました。

まとめ|まずは洗濯物の量から考える

最後に整理します。部屋干しが乾かないときに見るべき順番は、干し方ではなく、部屋の空気からです。

この記事のまとめ
  • 洗濯物が乾く条件は温度・湿度・風。風は洗濯物のまわりの空気を入れ替えるが、部屋の水分は減らせない
  • 1〜2人分(1.5〜3kg程度)ならサーキュレーターや扇風機で足りる。ライオンの実験で綿タオル1枚の乾燥時間が約45%短縮
  • 4kg前後の家族分になったら除湿を足す。除湿せずに4kgを6畳へ干すと湿度が最大約20%上がり、扇風機でも10時間後に約20%の水分が残る
  • 実測で最も効率がよかったのは除湿機×サーキュレーター。エアコンまで足すと除湿が重複して効率が落ちたとガリレオ工房は推測している
  • 夏メインならコンプレッサー式、冬も使うならデシカント式かハイブリッド式
  • 50Hzと60Hzで能力が変わる。東日本の人は小さいほうの数字で選ぶ

用途別にもう一度並べると、こうなります。

こんな人おすすめ理由
6〜8畳・夜もまわしたいコロナ CD-S632634〜36dBと運転音の幅が狭く、最大でも36dB。8.3kgで最軽量
とにかく安く始めたいシャープ CV-T71-W20,343円と最安。ただし2kgに約167分
速さ最優先シャープ CV-UH160-W2kgを約54分。1回の電気代は約19.7円と高めの部類
電気代重視パナソニック F-YEX120B1回約9.9円で90分。ただし本体は67,368円と高め
広いLDKシャープ CV-T190-W16.5/18.5L/日、74分、300/340Wでバランス良好

夏の冷却家電や、家電・DIYの記事もまとめています。あわせてどうぞ。

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