実は ふるさと納税に節税効果はありません
また、ふるさと納税をしたからといって、自動的に税金が控除されるわけではありません。
前述したように、ふるさと納税と住宅ローン控除は併用することができます。ただし、一点注意が必要です。ふるさと納税と住宅ローン控除は、どちらも納税額からの控除となるため、納税額以上の控除は受けられません。
ふるさと納税を利用したことのない2,402人に「ふるさと納税を利用しない理由」(複数回答)について質問したところ、「利用方法が分からないから」(40.9%)が最も多く、次いで「メリットがよく分からないから」(27.4%)、「手続きが面倒だから」(26.8%)という回答が続きました。
株式会社エイチームライフデザインが実施した「ふるさと納税に関する意識調査」によると、これまでふるさと納税を利用したことがない人が71.0%、「そもそもふるさと納税について知らない」という人が7.9%。「利用したことがない」「知らない」という人が約8割であることがわかりました。
一番利用するふるさと納税のサイトはどこかと聞くと、「さとふる」(38.6%)という回答が最も多く、次に「楽天ふるさと納税」(34.8%)が続きました。「さとふる」は、CMをしていて認知度が高く、返礼品の到着が早いことが理由として挙げられています。「楽天ふるさと納税」はポイント還元率が高く、最大30%還元となっているのが人気の理由であるようです。
4)総務省「ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税の流れ」
そして、よく間違えられがちなのが、ふるさと納税が節税になるのでは?という噂です。実は、ふるさと納税に節税効果はありません。
実際、ふるさと納税には利用しにくい点があり、その1つに確定申告やワンストップ特例制度の申請が必要になってくる、ということがあります。
また、不満の声に「最初はお金がかかるイメージがある」と回答があったように、寄附として支払ってから控除が適用されるまでにはかなりのタイムラグがあることも、利用しづらくしている要因と言えるでしょう。
意外と知られていないことですが、自分が住んでいる自治体に寄付をしても、返礼品は受け取れません。自治体とは市町村、都道府県どちらにも当てはまるので、例えば神奈川県横浜市に住んでいる人であれば「神奈川県」と「横浜市」が該当します。ただしふるさと納税自体は可能で、お金の使い道を指定したり控除の対象となったりするメリットはあります。自治体によっては寄付自体ができないところもあるので、詳細は各自治体にご確認ください。
…「楽天ラクマ」で不用品を売って得た売上金を、「楽天キャッシュ」にチャージすると「楽天ふるさと納税」の寄付に使えます。
さらに、年収別にふるさと納税をしない理由の分布を示したものである。
年収が700万円未満の人の間で最も選択された理由は「仕組みやメリットについて、よく知らないため」である一方、年収が700万円以上の人の間では、「仕組みやメリットについては知っているが、必要性を感じないため」の割合が最も大きく、「仕組みやメリットについては知っており、やりたいと思っているが、手続きが面倒なため」の割合が次に大きい。
所得が高い人は納税額も大きいため、こうした仕組みやメリットについて調べている可能性が示唆される。
ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい自治体など、好きな自治体に寄附ができる制度です1)。寄附先の自治体を自由に選べるため、必ずしも出身地や居住したことのある地域である必要はありません。
参考資料
5)総務省「ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について」
ふるさと納税をしないほうがいい人だけではなく、条件面などの理由により利用できない人についても解説するので確認しておきましょう。
ふるさと納税の利用者は、年々増えています。その理由をメリットとともに見ていきましょう。
「ふるさと納税をしたほうがいい人」の項目では、「年収150万円以上(独身または共働きの場合)」または「世帯年収250万円以上(夫婦で配偶者に収入がない場合)」を、ふるさと納税でメリットを得られる年収のボーダーラインと説明しました。
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