元徴用工 日韓外務省局長が協議
外務省の船越健裕アジア大洋州局長は16日午前、省内で韓国外務省の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長と協議した。日韓間の懸案となっている元徴用工問題を巡り、韓国側が検討している解決策の説明を受けるとみられる。
大法院判決の論理構成のうち、(i)はまったくその通りで、日本政府もそのように認識しています。問題は、ここから(ii)の命題が出てくるかどうかです。まず、日本と韓国は、韓国・韓国人が日本・日本人に対して要求できるかもしれないすべての事項について交渉したのではなく、その一部についてだけ交渉し、交渉した範囲の財産・請求権問題を解決することで合意したのだ、という理解は、これはこれであり得る話です。この理解によれば、交渉当時に知られていなかった問題や、知られてはいたけれども交渉の対象にしなかった問題は、協定の対象外だということになります。元徴用工(強制動員被害者)の慰謝料問題は後者の問題に該当するというのが大法院の判断です。韓国政府の立場は、強制動員被害者の慰謝料問題についてやや曖昧な部分がありますが、考え方の枠組みは大法院と同じで、日韓請求権協定の締結交渉で取り上げられなかった問題(例えば慰安婦問題)は協定の対象外だというものです(参照:山本晴太「日韓両国の日韓請求権協定解釈の変遷」17-20頁)。他方、日韓請求権協定は、交渉の対象にしなかったものや、将来出てくるかもしれない未知の問題も含め、韓国・韓国人と日本・日本人との間の財産・請求権の問題をすべて包括的に解決したのだ、という理解もあり得ます。日本政府は協定をこのように理解しているために、例えば慰安婦問題や元徴用工の慰謝料問題などは、交渉当時に知られていた問題であろうがなかろうが、また、交渉で取り上げられた問題であろうがなかろうが、請求権協定によって解決済みだという立場になる訳です(元徴用工の慰謝料問題について本コメントの1を、慰安婦問題について例えば第183回国会衆議院外務委員会会議録第8号(平成25年5月22日)12頁を参照)。
元徴用工問題は、差し押さえられた日本企業の資産が現金化される前に両国が折り合えるかどうかが焦点となっている。両政府は日本企業の賠償金を韓国の財団に肩代わりさせる案を軸に協議を続けている。
日韓両政府は26日、外務省局長協議を東京都内の外務省で開いた。懸案となっている元徴用工訴訟問題を巡り、早期解決に向けた双方の取り組み状況について意見調整し、日韓関係改善へ意思疎通を継続する方針を確認した。
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